三次元都市

渋谷は見てくれだけ 本当にヤバイのは新宿駅です
準拠すべき地平がうしなわれているんだから、そりゃもうヤバイというか。ちなみに新宿地下の完全な地図って行政区画が複雑にまたがっているので存在しないという話を聞いたことがある。先日思ったのだが、ロンドンの地下鉄の通路は低いし狭いし断面が円形なので洞穴感覚。一方で東京の地下ってそのまま都市だ。極端に言えば次のようなことになる。

なるほど地下空間は地面の下に広がっているものだろう。しかし、地面の下とはいったいどこまでを指すのだろう? いったん地面の下に潜り、歩き回った最後にたどり着いた地上が、潜りはじめたポイントと物理的に同じ高さになくても、わたしたちはたしかに「その途中」をまさに地下として認識してきたではないか。横浜の考察で得た知見は、そのような地下空間の拡張性である。言い換えれば、「その途中」として続く空間を「地下ではない」と言い切る根拠など、実はわたしたちはどこにも持ちあわせていないのである。新宿駅の地下街から「地上」を求め続けてついには高層ビルの屋上まで達してしまった男は、階段を駆け上りながらもたしかに「地下」を経験しつづけていたのである(瀬山論考参照)。
話を戻そう。前回の考察を活かして新宿駅をとらえようとするならば、だからそのような「地下ではない」と一見思えてしまうような場所をどのように思考するのかが問われなければならない。このテキストの背後に広がっている奇妙な形の穴は、新宿駅西口に林立する超高層ビル群を影絵のように描き、天地を反転させた結果見える「地下空間」なのである。新宿駅の西口は「地下」だらけ。しかもその「地下」の最深部は、あろうことか地上300メートルを近い「高さ」にまで達しようとしている。
超高層地下街 瀬山真樹夫

関係ないけど、東ロンドンのDock Areaと呼ばれているあたり、貧乏なボロボロの古いアパートの間にてらてらした新しい高級アパートが建っていった。金融関係の高給サラリーマンの間で住むのが流行している地区なのだそうだ。バブルのころの日本の芝浦とかのベイエリアによく似ている。