日本の外交官二名がイラクで殺害されたこと。哀悼する。予測され、なおかつ予告までされていた事件であった。いわば見殺しだ。詳細は省くが、これは明確に計画され、実行された犯行である。誰が三菱のランクルに乗っていたか、ということまできっちり調査した上での襲撃だ。イラクの反米組織の諜報力がかなり高度であることは、先月のラシッドホテルにおけるウォルフウィッツ暗殺未遂や、今回の事件を考えれば明白だ。

かくのごとき状況でテロには屈しない、とブッシュの言葉を知恵もなくそのままオウムのように連呼する某内閣総理大臣には絶句する。この突撃思想は203高地硫黄島を引き合いに出すまでもなく玉砕思想、いや思考停止なのだから思想ではない、単に極東の農耕民族の長に奉ずる死が、西の狩猟民族の酋長にささげる死にとって変わっただけである。戦略もなにもない。対米追従という八紘一宇にも似た盲信ぶりだ。今後の日本のメディアの動向に注意するべきである。昨年の北朝鮮拉致事件とそれに引き続くプチナショナリズムの高揚と相同の形式が再演されるだろう。